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「ゴーヤ」の歴史と調理法


ゴーヤチャンプル

スーパーなどでもよく目にし、現在では食卓に上がることも少なくない『ゴーヤ』。


特に夏場の食事では重宝します。


その独特の見た目や苦みがクセになる人も多いのではないでしょうか。


その一方で、『ゴーヤ』の特徴などを詳しくご存じの方は意外と少ないと思います。


ここでは『ゴーヤ』の豆知識や、豊富な栄養を損なわない食べ方などをご紹介します。


このなじみの深い『ゴーヤ』という名称は沖縄の方言で、正式な和名としては『ツルレイシ』と言います。


これは、イボイボの見た目と、完熟すると仮種皮(種の周りを覆う皮のような部分)が甘くなるという特徴がレイシ(=ライチ)と似ていることから、『蔓になるレイシ』という意味で名付けられました。


また、果肉が苦いことから『ニガウリ』というのも一般的な名称となっています。


普段スーパーなどで目にしたり食べたりしている緑色の状態は、実が完全に熟す前の未熟果の状態です。完全に熟した状態では、表面は黄色~オレンジ色となります。


それに伴って果肉部分も柔らかくなるため『腐ってしまった』と思い捨ててしまう場合もあるようですが、シャキシャキとした食感は失われるものの実際には問題なく食べることができます。


また熟すとともに、仮種皮は赤いゼリー状の物質になります。この赤い仮種皮は『種ゼリー』と呼ばれ、糖度も増すためにスイーツ感覚で食べることもあるようです。

◆ゴーヤの歴史


『ゴーヤ』の原産地はアジアの熱帯地域とされていますが、その他の熱帯地域でも野生種が見られます。その後14世紀頃、『ゴーヤ』は中国に渡ります。


当時は現在のように野菜として食べられるというよりは、その豊富な栄養素から生薬という形で広まっていきました。


やがて中国経由で琉球王国(沖縄)に伝わり、九州などへも広まっていくことになります。


初めのうちはこの沖縄、九州でも生薬としての認識が強かった一方で、夏バテの予防などの観点から普段から食べられる野菜としての認識も広がっていきました。


1990年代に入り、長寿で有名な沖縄の食材であることやテレビドラマの影響で『ゴーヤ』が有名になると同時に、病害虫に強く、水と日照時間、気温の条件をクリアすれば肥料や農薬がなくても栽培しやすい植物であることから全国に広まりました。


また品種改良も進むことでエグ味や苦みが控えめでより栽培しやすい品種が作られたことも、より普及することとなった一因と考えられます。

◆ゴーヤの栄養素と調理方法


『ゴーヤ』にはビタミンCや食物繊維など、豊富な栄養素が含まれています。


特にビタミンCは一般的に加熱すると破壊される栄養素である一方で、この『ゴーヤ』に含まれている場合のみ加熱に強いという特性を持っています。


ただしこの『ゴーヤ』の豊富な栄養素は、苦みを取り除こうとすると損なわれる可能性があります。


例えば


・表面の緑色の皮を取り除く

・塩もみしてから軽く水で洗い流す

・お米のとぎ汁で茹でる


などです。


栄養素を損なわず、それでも苦みを抑えて食べたい場合には、


・苦みの少ない品種の『ゴーヤ』を購入する

・鰹節で和える(鰹節には苦みを和らげる効果がある


等の方法があります。


また炒める際にも、前述のとおり『ゴーヤ』のビタミンCが加熱に強いのは加熱し過ぎないのが前提であるため、短時間で調理することが大切です。

沖縄料理のお店やスーパー、自宅の食卓でもなじみの深い『ゴーヤ』ですが、その特性や背景をご存じの方は少なかったのではないでしょうか。


『ゴーヤ』料理として定番のゴーヤチャンプルーや栄養素を凝縮させることのできる乾燥ゴーヤとして夏バテ対策の食材としても、また家の軒先に植えて日よけとするグリーンカーテンなど、夏場にはぴったりの食材、植物です。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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