『ドーナツ』または『ドーナッツ』(イギリス英語で『doughnut』 、アメリカ英語で『donut』)は、小麦粉を主体として水や卵、砂糖やバターなどを加えた生地を使ったものを指します。
この生地を使った様々なアレンジレシピがありますが、一般的には油で揚げて甘く仕上げることが多いです。
対して、多くの種類があるため、『ドーナツの定義』として明言するのは難しい面もあります。
◆『ドーナツ』の起源
ドーナツの原型はかつてオランダで誕生した、小麦粉・砂糖・卵で作った生地を酵母で発酵させてラードで揚げた『オリーボル(かつては『オリークック(Olykoek)』と呼ばれていました)』というお菓子であると言われています。
当時の形状は今のオーソドックスなもののようにリングの形ではなく、ボール状のお菓子にクルミが乗ったものでした。
この形を由来として、『Dough(=生地)』と『Nut(=木の実)』が合わさり『ドーナツ(doughnut)』という名前になりました。
一方で、作り方や材料自体はシンプルであるため、同時期に別の地域でも同様の『生地を油で揚げたお菓子』は食べられていたという記録もあり、明確に『発祥』を定めるのは難しいようです。
やがてイギリスから新大陸(アメリカ)への移民と同時にアメリカへ『ドーナツ』が伝わりました。
その後の第一次世界大戦時、アメリカ軍兵士への差し入れとして大量の『ドーナツ』が支給されたことからアメリカに根付くと同時に、終戦後には世界的に有名なチェーン店が発足
し、『ドーナツ』がアメリカのものであるというイメージが付いたと考えられています。
◆『ドーナツ』の穴の由来
日本で『ドーナツ』と言えば穴の開いたリング状のものが一般的です。この『ドーナツの穴』の由来には諸説あります。
この中でも最も有力な説としては、『ドーナツ』を揚げるときに中心が生焼けになることを防ぐため、というものです。
それまでに作られていた『ドーナツ』では、周囲がきれいに揚がっても中心部分は生焼け、逆に真ん中まで十分に加熱できる頃には周囲は揚げすぎた状態になっていました。
それを防ぎ、均一に加熱するために穴をあけたという説です。
その他には、
・船乗りが船の操舵輪に引っ掛けておくため
・『ドーナツ』のもともとの形ではクルミを乗せたものが主流だった一方で、アメリカではクルミを入手することが難しかったため
・アメリカの先住民の放った矢が偶然パン生地の中心に当たって油の中に落ち、リング状になったため
など、ユニークな説があります。
◆ドーナツの種類の例
『ドーナツ』は初めに書いたような生地が使われるという共通点がある一方で、様々な種類があります。
まず生地で大きく2種類に分けると、イーストで発酵させるパン生地の『イーストドーナツ』と、ベーキングパウダーで膨らませた生地を使った『ケーキドーナツ』があります。
『ドーナツ』のチェーン店やスーパーでもよく目にし、日本でメジャーとなっているのは『ケーキドーナツ』であり、サクサクしたケーキ生地というような食感が特徴です。
一方で『イーストドーナツ』はフワフワ、モッチリとした揚げパンに近い食感をしています。
またこの2種類よりは見かけることは少ないかもしれませんが、シュー生地で作った『フレンチドーナツ』も、生地の異なる『ドーナツ』と言えます。
また形状で分類すると、一般的に見かける輪っか状の『リングドーナツ』や、ボール状の『ドーナツボール』、生地をねじって揚げた『ツイストドーナツ』などがあります。
また、中にあんこが入っている『あんドーナツ』や、油で揚げるのではなく焼いて加熱した『焼きドーナツ』など、様々な種類があります。
以上のように、材料や作り方はシンプルながらもいろんな種類があり、またトッピング次第では豪華にもなる『ドーナツ』。
専門店では新商品がどんどん出てきたり、また季節ごとに旬の食材を使ったものが発売されています。
しかし意外と家で作るのも簡単なので、おやつに作ってみるのもおススメのお菓子です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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