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イタリアで一番有名な仔牛料理

更新日:2020年3月5日



『ミラノ風仔牛のカツレツ

(Costoletta di vitello alla milanese)』


イタリアで一番有名な仔牛料理の一つです。


叩いて伸ばした仔牛肉に、チーズなどで風味をつけた溶き卵にくぐらせてからパン粉を


まぶし、たっぷりのバターで両面をきつね色になるまで焼き上げた料理です。


イタリア語では『コストレッタ・ディ・ヴィテッロ・アッラ・ミラネーゼ


(Costoletta di vitello alla milanese)』といい、


Vitelloは仔牛、Costolettaとは骨付きのロース肉のことを指します。


本来はこの骨付きのロース肉を使った料理ですが、


現在大衆店などでは牛のもも肉の薄切りを使う場合も多くあります。


もともとはあまりソースなどをかけず、レモンを添えて肉のうまみとパン粉の香ばしさ、


バターの風味を味わう料理でしたが、現在ではトマトソースをはじめ、


いろいろなソースとともに提供されることも多くなりました。


またこれに似たものとして、


オーストリアには『ウィンナー・シュニッツェル(Wiener Schnitzel)』


という料理があります。


これは『ウィーン風仔牛のヒレ肉』という意味です。


使われる部位も文字通り仔牛のヒレ肉が主流、また豚肉や鶏肉で作られることもあり、


ミラノ風のカツレツとは異なる点もあります。


しかしこの料理の由来は、19世紀にミラノがオーストリア帝国の支配下にあったときに


サルデーニャ・フランス連合軍に敗れた将軍がオーストリアへ帰還した際、


ミラノ風カツレツを持ち帰りそれをベースにして広めたとされる説と、


逆にオーストリア軍がミラノに侵攻したときに


『ウィンナー・シュニッツェル』を持ち込み、


それが広まってミラノ風カツレツとして定着したとされる説があり、


どちらにせよこの『ミラノ風仔牛のカツレツ』と


『ウィンナー・シュニッツェル』とは関連した料理であると言われています。


それでは、実際にこの『ミラノ風仔牛のカツレツ』の作り方とポイントをご紹介します。











◆作り方


① 仔牛肉にパン粉を薄くまぶし、肉たたきで5mm~1cm程度の厚さ(骨がついている場合にはそれと同じくらいの厚さ)になるまで叩き伸ばし、筋切りをします。

このときに筋切りをしっかりしておくことで、加熱したときに肉が縮んで衣がはがれたり、しわが寄ったりすることを防ぎます。


② 肉の両面に塩とコショウをし、卵を溶きほぐしてパルメザンチーズを合わせたもの、その上にさらにパン粉をつけます。

このとき、パン粉をできるだけ細かく砕いておくことで、焼きあがりの口当たりがよくなります。


③ まな板の上で形を整えつつ、包丁の腹で肉を叩いて衣をなじませていきます。

肉に十分衣がなじんだ後、盛り付けたときに上になる面に包丁の背で斜めに格子模様を付けます。

この格子模様をつけることで見た目が美しくなるとともに、パン粉がさらに肉によくなじむという効果もあります。


④ フライパンに、肉が半分くらい浸かる程度のオリーブオイルとバターを入れて熱し、

油が薄く色づいてきたら格子模様を付けた面(盛り付けのときに上になる面)から焼いていきます。


⑤ 格子模様を付けた面にきれいな焼き色が付いたらひっくり返し、軽く油をかけながらもう片面も焼いていきます。

そちらの面もこんがりきつね色になり、肉に火が通ったらペーパータオルにとって油をよく切り、皿に盛り付けます。

焼くときには、ヘラなどで触りすぎると衣がはがれる可能性がある一方で、放置すると均一に火が通らない、焼き色が濃くなりすぎることがあるので、軽くフライパンをゆすりつつ焼くことがポイントとなります。


イタリアのミラノの伝統的な料理であり、


そのおいしさのベースは受け継がれている一方で、店によっても


家庭によってもソースや作り方は少しずつ変化、


進化しながら受け継がれてきている料理です。


レシピ自体はシンプルなため、本場ミラノの味、


日本のお店での味をもとに『ご家庭の味』として作ってみるのもおススメの料理です。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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