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イタリアの名物料理「サルティンボッカ」


サルティンボッカ

『サルティンボッカ(saltimbocca)』は仔牛の薄切り肉を用いた料理の一つで、イタリアのローマのお店では必ずと言っていいほどメニューに載っている名物料理です。


日本でもイタリア料理の専門店に行けば置いている店も多いのではないでしょうか。


一方で日常的にはなじみのないこの『サルティンボッカ』。この料理の概要やレシピの例をご紹介します。 この『サルティンボッカ(saltimbocca)』とはイタリア語で、『saltare(飛び上がる)』『in(~の中に)』『bocca(口)』が合わさって『口に飛び込む』という意味を示す料理です。


『短時間で作ることができるため、すぐに食べられる』『自然と口に飛び込んでくるくらいおいしい料理』ということが名前の由来になっています。


作り方自体も非常に簡単で、仔牛肉を薄切りにしてから叩いて厚みを揃え、セージ(シソ科のハーブの一種)を乗せてから生ハムをかぶせ、小麦粉を軽くはたいてから焼く、というものです。

現在ではローマの名物料理となっているこの料理ですが、その起源としては諸説あるものの、イタリアのロンバルディア州のブレシア(ブレーシャ)という都市であるという説が有力です。


このブレシアで生まれた『サルティンボッカ』がイタリア全土、さらにはギリシャやスイス、スペインなどの他国にも広まりつつ、ローマに根付いてさらに発達し、現在では『ローマ風サルティンボッカ(saltimbocca alla romana)』と呼ばれてローマを代表する郷土料理の一つとなりました。

◆『サルティンボッカ』のレシピの例

サルティンボッカ

①軽く濡らしたラップに筋切りをした仔牛のロース肉を挟み、肉叩きで薄く叩き伸ばします。

②仔牛肉の上にセージと生ハムをのせて包丁の背で軽く叩き、生ハムと肉をくっつけます。

③肉の面(生ハムの乗っていない面)に塩、こしょうをし、強力粉をまぶします。生ハムにもしっかりと塩味がついているので、下味は肉の面だけにしておくことが大切です。

④フライパンにオリーブオイルとバターを入れて熱し、盛り付けるときに表になる面(生ハムが乗っている面)から肉を手早く焼きます。途中で裏返し、両面にキレイな焼き色がついたら一度取り出し、余分な油を捨てます。

⑤フライパンに白ワインを加えて底についた肉汁をこそげて溶かし、白ワインが半量になるまで煮詰めます。そこに仔牛の出汁を加えてさらに煮詰め、ソースとします。

⑥仔牛肉をフライパンに戻して温めなおしてから仕上げのバターを加えて溶かし、塩とコショウで味を調えて完成です。

この料理を作る際のポイントとしては、

・生ハムにしっかり塩味がついているので、それを計算して肉への下味やソースに加える塩は少量にしておきます。

・調理時間が短いので火加減を調整し、焼き色を付けることと中まで火を通すことを同時に行うようにします。また、肉や生ハムは火を通しすぎると固くなるので、フライパンのソースに肉を戻した後は中でなじませつつも火を通しすぎないようにすることが重要です。

・表側の面(生ハムの面)を焼いているとき、裏になる面(豚肉の面)に肉汁が上がってくる前に肉を裏返し、表面を焼き固めることで肉汁が流れ出ないようにします。


短時間でできる料理で、つくる工程自体はシンプルである一方、とても奥深い料理『サルティンボッカ』。


肉や生ハムの味わいをストレートに感じられる料理であり、また見た目が華やかなため、メインのお肉料理として提供できる一皿です。

ご家庭などで仔牛肉が手に入らないときには牛のもも肉や鶏肉、豚肉で代用して作ることも可能です。このように別の肉を使用する場合には、脂身の少ない部位が適しています。


夕食に悩んだときなど、簡単に作ることができつつも特別な一皿としての存在感もあるおススメの一品です。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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