top of page

小倉のご当地グルメぬか炊き!?


今回はご当地グルメをご紹介します!


北九州市小倉には、ぬかを調味料として利用した全国でも珍しい


「ぬか炊き」というご当地グルメがあります。


漬物としてきゅうりやナスなどの野菜をぬかに漬けた「ぬか漬け」はよく聞きますが、


小倉では鯖(さば)や鰯(いわし)などの青魚をぬかと


一緒に炊き上げることで独特のうまみと栄養満点の料理となるのです。


このぬか炊きがいつから小倉で広まったのか、その旨さと栄養など、


簡単なレシピを含めてリサーチしました。



ぬか炊きは庶民の保存食


別名じんだ煮ともいわれるこの料理は、青魚を材料にぬかと炊き上げたものが一般的で、


各家庭にあるぬか床を調味料として使用します。


ぬか床に含まれる漬物の野菜から出たエキスが、


材料にしみこんで甘辛く濃厚なうま味が特徴です。


小倉の庶民の台所、旦過市場には複数のぬか炊き専門店があります。


それぞれに違った味をうたい文句にしていて人気を集めています。


駅のみやげ売り場でも、有名な福岡の辛子明太子などと並び


人気のあるお土産のひとつです。


繁華街の居酒屋ではあら炊きを名物料理にしている店が数多くあります。


全国的にはめずらしい一品ですが、小倉ではだれもが知っている庶民のグルメなのです。


青魚の保存食としても親しまれています。



江戸時代から小倉に300年以上続くぬかみその歴史


ぬか炊きが小倉で広まったのは、江戸時代です。


関ヶ原の戦いの後、小倉城を築城し豊前国を収めた小倉初代藩主細川忠興は、


生まれ育った旧若狭・丹後国(現在の京都)を模して小倉藩を作り上げました。


小倉の繁華街が碁盤の目状になっていることや、祇園祭りなどはその名残です。


旧若狭・丹後国の食文化「ぬかみそ漬け」が小倉に伝わったのもその頃でした。


その後、1632年に国替えで小倉藩主となった小笠原忠真は、


細川忠興の残した文化を継承しました。


「ぬか床」という言葉は、ぬかみそをたいそう気に入った小笠原氏が、


ぬかみその桶を床の間に置いたことから始まったそうです。



ぬか炊き(別名じんだ煮)の始まり


当時の小倉藩の料理番は、小笠原氏のぬかみそ好きに目をつけて、


旧若狭・丹後国の郷土料理へしこ


(魚にしを塩を振ってぬかみそに漬け込んだ保存食)をアレンジ。


ぬかみそで魚を煮込む調理法(ぬか炊き)を考案しました。


気に入った小笠原氏は、「じんだ煮」と命名し陣(じん)が


立つ縁起物として家臣に振舞いました。


ぬか炊きはそれ以降郷土料理として300年以上も愛され引き継がれてきたのです。


小倉城下では各家に家宝としてぬか床を持つようになりました。


母から子へ代々の家庭の味として、大切に守られています。


今でも小倉では、ほとんどの家庭がぬか床を持っているそうです。



ぬか炊きのうまみの秘訣と栄養


ぬか炊きにすると、ぬかが青魚の臭みをとり本来の美味しさが味わえます。


さらに、ぬか床に漬け込まれた野菜のエキスと、山椒や唐辛子の辛味、


発酵みそのかすかな酸味が加わって絶妙な旨味が引き出されます。


山椒・唐辛子を必ず一緒に炊き込むのが秘訣の一つです。


ぬか床に漬け込む野菜の種類や蓄積の状態によってエキスの吸収度合いが異なるので、


ぬか炊きもそれぞれの家庭で特徴のある味がでてきます。


ぬかみそは、古来の発酵食品ですが、それだけを口にすることはほとんどなく、


調味料として使うことも多くありませんが、


ビタミンやミネラルが豊富で栄養価が高い食品です。


ぬかみそに含まれる乳酸菌が魚の臭みをとり、アミノ酸が旨味を引き出します。


ぬか炊きにすると、骨まで柔らかく煮込まれ食べることができるので、


魚に含まれるカルシウム、特に頭部に多く含まれるDHAやEPAが効果的に摂取できます。


DHA・EPAは、肝機能の向上や動脈硬化、脳梗塞の予防に効果を発揮し、


血をサラサラにしお肌がつるつるになるなど美容と健康に必須の栄養素です。


最近では、認知症の予防や糖尿病、肝臓がんにも効果があることがわかってきました。



ぬか炊きの簡単な作り方


鯖や鰯のをさばいて血抜きをしたものを準備します。


砂糖、しょうゆ、みりんを加えた煮汁で煮込み、ぬか床を投入。


山椒と唐辛子を適量入れてトロトロになるまで炊き上げます。


魚の身が煮崩れしないように気を付けてください。


最近では、青魚だけでなく、こんにゃくなどのあら炊きも市場に出てきました。


旦過市場の老舗「百年床の宇佐美」ではこんにゃくのぬか炊きを


店頭に出していて人気の一品です。


鰯や鯖と一緒に炊いていて、こんにゃくの食感はそのままに、


ぬかと青魚のうまみがしみ込んで、とてもおいしくいただけます。




体験!絶品の「鯖のぬか炊き」


おいしいぬか炊きを提供している居酒屋「さんぽ路」におじゃましました。


小倉繁華街の南国ビルの2階にある家庭的な居酒屋です。


鯖のぬか炊きを注文。ここのぬか炊きは、鯖の血抜きを十分に行った後醤油、みりん、


砂糖に唐辛子や山椒を加えて煮つけ、ぬか床を加えて4~5時間炊き込むそうです。


辛味を抑え比較的あっさり仕上げた味は、旨味が凝縮されて、


お酒の肴だけでなく、ごはんにも合います。


お客さんの中にはご飯を注文する人も少なくないとか。


じっくり炊き込んであるためか、骨まで柔らかく、


特に中骨は少しの歯ごたえが食感としてアクセントになっています。


噛むごとに旨味があふれ出してきてとても美味しい一品。


あっさりと仕上げているので他の食べ物とも相性が良く


お店の看板メニューになっているのも納得です。



まとめ


北九州市は、鯖や鰯の消費量(金額ベース)が全国一二を争うほどの人気です。


生鯖を刺身で食す文化が下支えになっているといわれています。


あら炊きは北九州市でも小倉で有名です。


旨味たっぷりで栄養価の高い保存食品をぜひ味わってみてください。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

Kommentare


bottom of page